鮭のThink and Feel !!

主に映画や小説など創作物を中心に感想を綴ります

毎日映画チャレンジ2日目『ハンニバル』

三日坊主にならないよう頑張りたいこの企画。

二日目は『羊たちの沈黙』の続編、『ハンニバル』で行ってみよう。

f:id:FoolishSalmon:20210402231756j:plain

アカデミー賞を受賞した傑作サスペンスミステリー「羊たちの沈黙」の続編で、トマス・ハリスの同名小説を映画化。全米を震撼させたバッファロー・ビル事件から10年。レクター博士のヒントで犯人を逮捕したクラリスは、FBIのベテラン捜査官となっていた。しかし、麻薬密売人イベルダの逮捕の際、激しい銃撃戦の末に彼女を射殺したクラリスは、マスコミの非難を浴びFBI内部でも厳しい追求を受ける。一方、レクター博士はイタリアに渡り、“フェル”博士としてフィレンツェの名家の蔵書を司る職に就いていた。監督は「ブレードランナー」「エイリアン」のリドリー・スコット。前作で映画史に残るキャラクターとなったレクター博士アンソニー・ホプキンスが再び演じ、クラリス役は新たにジュリアン・ムーアが務めた。(映画.comより引用)

eiga.com

 

前作『羊たちの沈黙』はアカデミー賞を受賞しただけあって非常に良質な映画だったと記憶している。

アンソニー・ホプキンスの気品と狂気の入り混じった演技はまさに圧巻で、この名優無くしてこの映画無しと言えるだろう。

そんな『羊たちの沈黙』の続編に位置付けられる本作『ハンニバル』だが、正直個人的な評価は微妙である。

というかこれは前作の出来があまりに良すぎるせいもあると思うのだが、やはりアンソニー・ホプキンス演じるレクター博士があまりにも強烈な印象を残すが故に他の要素が霞んでしまうのだ。

加えて本作、主人公のFBI捜査官クラリススターリングの配役が変更されているのも個人的にはマイナスだ。

ジュリアン・ムーアは素晴らしい女優だと思うが、前作のジョディ・フォスターの気丈さの中に脆さと儚さが垣間見える独特の雰囲気が個人的に好みだった。

また今作のレクター博士は割とアグレッシブというか行動的なのも違和感を感じた。

前作のレクター博士は前半の安楽椅子探偵のような落ち着きとそこから来る底知れなさ、そして後半解放される凶暴性のギャップが魅力であった。

だが今作は電気銃であっさり捕獲されたり、結局クラリスに助け出されたりとアグレッシブに動くわりにあまり良いところがない。

アンソニー・ホプキンスの演技は相変わらず素晴らしいし、ゴア描写も前作よりパワーアップはしているがそれだけである。

前作の気品漂うミステリアスが失われ、残ったのはレクター博士というキャラクターの魅力だけ。

個人的にはガッカリする類の続編作品だった。